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中国「08憲章」について

「08憲章」について詳細を知りたいと思いながらも、起草者のひとりである作家劉暁波(リュウシャオボ)が逮捕されたこと報道で、単に中国政府の弾圧体制批判が先行してしまっているようだ。かんじんの憲章そのものの評価や、チベット独立問題などの影響で政府が民主・反体制派への弾圧するという枠組みにはまってしまい。中国国内の反響などが、さほど紹介されていない気がする。で『天安門事件から「08憲章」へ』(劉暁波 2009年 藤原書店)のなかに掲載されている文章を読んで、基本理念に共鳴しつつも政策の主張に疑念を覚えた。これはイギリスの市民革命の反復ではあるまいか。

中国の民主化という問題は大きなテーマであり、たんに民主化の理念やマニフェストを掲げただけでは問題は解決しない、というよりもそれで動くかどうかは別である。

理念そのものは世界史からの普遍的英知や人権の探求の成果がある。ただ現実社会はその原理で動いてはいないということは冷徹な事実である。大文字の大儀や普遍的価値について世界で先進国の指導者たちは、それなりに発言はするが、それはあくまで自国の利害に衝突しない限りにおいてである。これはどこでも共通している。まったく民主的(権威・権力が力をもたない)な社会や国家が存在しないように、どこの国でも民主化の度合いはそれぞれである。EUなどの先進国の民主度がたとえば明るい黄色だとすれば、アラブ・アフリカの独裁国家が紫であったりという感じだろうか。グラデーションが描けるかどうかは難しいだろうが、いずれにせよ程度問題ということである。もちろん民主的であるべきだし、民主化を進めるのは正しいのだが、それが社会とどう結びついているのか、その検討が必要になってくる。

「08憲章」は国連人権宣言60周年にあたる2009年12月10日にあわせてネット上に公表された。その後は劉暁波のノーベル賞受賞や中国政府からの妨害工作があるが、その後の中国社会の動向は『天安門事件から「08憲章」へ』を読むとマスメディアでは取りあげられていないのは、公然と批判できないものとして当局は内心恐れている、という。

「改革開放政策の市場経済化=資本主義化を推し進め、利益誘導で支持をつなぎとめようとした。しかしその結果、政府は社会主義イデオロギーを使えなくなっている。(略)しかし、利益誘導を保障する高度経済成長が永遠に続くとは考えられない」ここでは民主的・法治国家を蔑ろにして経済的発展を優先させるあり方の限界が指摘されている。しかし、それは人類全体の問題として敷衍されるのではないか。世界資本主義が経済権益・利益優先を追及している以上は、この枠組みから逃れられないだろう。さまざまな利益・利害対立を調整するのは独裁的でなければおこなえないところがある。それを開放すれば14億の人間がいる中国は分裂するだろう。仮に民主化がおこなわれたとしてもそれは一挙的に解決するものではないはずた。それはむしろ始まりになるのかもしれない。まさしく民主的な社会という「長征」になるのだと思う。

自由と人権の尊重だけを機軸とすると現在の新自由主義の政策に棹差す部分もあり、経済成長や発展にとってむしろプラスなのだという、この部分がおそらく中国共産党にとっては脅威なのだろう。いわば普通のブルジョア国家を目指せ、という結論でしかないのだから。

いちばんの根幹には中国という国家・社会がどのような位置にあり、どのような歴史・環境のうえにあるのか、という洞察が必要だろう。それを展開できれば説得的なものとなるだろう。

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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

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