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中道左派とは何か―山口二郎批判

 山口二郎が竹中平蔵との共闘関係をやめた、という話を聞いて、「えっ、そんな節操のないやつだったのか!」という想いがよぎったが、もともと政治改革論者で馬鹿のひとつ覚えのように「改革」を連発していたので、構造改革論者で「民間へ」を連発していた小泉元首相の船頭であった竹中平蔵とタッグを組んでも不思議じゃないなと思い直した。
 ところで、なんでそんな話がでているのかというと、「中央公論」(2008年11月号)で、『新自由主義か社会民主主義か(竹中平蔵との対談Z)』があったからだ。

 これは山口二郎のブログに掲載してあるので読むことができる。
 

山口 私は十数年来欧州の中道左派政党をウォッチしてきて、日本でもああいうスタンスの政党ができて政権を争うようになるのがベストだと確信しています。

 従来の自民党は、財界の言うことも聞き一方で国民各層への再配分にも気を配るという、ヌエのような存在だったからこそ長期政権たりえ、結果として政権交代を阻んできた。しかし小泉さんは明確に「小さな政府を目指す」という軸を立てた。おかげで、私が標榜する再配分重視の「中道左派」という対立軸を立てやすくなった。

 ところが今度麻生さんが出てきて、どうやら「小さな政府」はますます軌道修正されて、民主党が今掲げている方向と大した違いがなくなりそうです。歯車が戻ってしまうのは、個人的には非常におもしろくない。



 山口の立場はハッキリしているのだが、内実じたいはハッキリしない。というのは『再配分重視の「中道左派」』といういいかたに表れているように、再配分を重視してきたのは従来型の自民党政治だったからで、「中道左派」といういいかた自体、右と左が揃っている状況での立ち位置でしかないからだ。

 そのことを示すのが『麻生さんが出てきて、どうやら「小さな政府」はますます軌道修正されて、民主党が今掲げている方向と大した違いがなくなりそう』と危惧していることだ。
 つまり自民党がかつてのような国民大衆への再分配や公共投資などをするような政府になることを、<対立軸>がなくなる、と恐れているのである。

 なんという小さな対立軸なのだろう。麻生は選挙に関連して大衆的動向が、どうやらこれまでの「改革」の見直し、政策見直しを要求している、ということを感じて「軌道修正」をしているにすぎない。
 ただ、大衆的支持を得ようとおもう政治家はそのような対応のしかたは当然だし、政治信念とは別に<要求にこたえる>ことはアリなのだ。その程度のことで違いがないなどということ自体が「小さな違い」でしかないのだ。

 
 

山口 九〇年代には竹中さんと同じ課題に仲間として取り組んだという意識が私にはある。すなわち、官僚支配と自民党の族議員政治こそが日本をおかしくしている悪の元凶であると。そこに竹中さんは経済学の立場から、私は政治学の立場から批判の矢を放ち、一定の世論形成に成功した。



このように自慢しているのは政治改革と構造改革が一定程度共通の基盤(新自由主義に対応した制度設計が必要とされる)があるということと、二大政党制(と小選挙区制)に賛成しないものは「旧守派」などと、マスコミで流行らせて冷静な議論をさせずに「バスに乗り遅れるな」とばかりに、山岸章などと一緒に民主党の流れをつくり社会党を解党的に弱体化させたことを自己暴露している。
 しかし、その挙句が自民党と民主党と差がなくなっておもしろくないと嘆いてもしかたがない。政権交代のみを獲得目標として、政治理念や目的を問わないという、そもそも差のないものをあえて別物の政党であるかのように仕立てる限界が露呈しただけであり、マッチポンプとはこのことである。

 山口二郎が本気で竹中平蔵と対決するつもりも理論もないことは、終わり部分に竹中平蔵にゴマかされてしまっている。

山口先生がご指摘のファクトはすごく正しい。いっしょに「改革を推進せよ」と言っていただけませんか(笑)。

山口 だから「改革」でひとくくりにするのではなくて(笑)、具体的な中身をスペシフィックに吟味する必要があるんですよ。

竹中 小泉改革は増やすべきところを増やし、減らすべきところを削るという、まさにスペシフィックな政策なんです。「新自由主義だから」ウンヌンではなく、そういう各論を論議しようと私もずっと言ってきている。ご指摘の通り一層詰めた論議をしなければいけないと痛感します。



 結局のところ、竹中から、さほど認識に違いがない、ともに声をだそうと秋波を送られて新自由主義者の竹中平蔵にまるめこまれているわけだが、これは竹中がうまいというより山口二郎がその程度にしか対抗戦略を考えていないからである。

 日本の政治を民主党と自民党の二大政党制という枠組みで決着させようという、山口の意図は、非正規労働者や低所得者の増大など現実の社会問題をみれば限界につきあたっている。ふたつの政党自体が対応不能になっていることはあきらかであり、それらの政党政治を突破していく主体が形成せれるであろう。


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アンドレ・ゴルツ『エコロジー協働体への道』(技術と人間 1985年)

 自律的労働の可能性
 
 ゴルツはフランスの新左翼の理論家だが、いろいろ先進的な研究していて動向が気になる存在だった。亡くなったのは残念だが、彼の残した仕事を読み解くことで希望につなげられると思う。
 短い文章は読んでいたが、一冊まるまるは初めてかもしれない。

 ゴルツの『エコロジー協働体への道』(技術と人間 1985年)は『エコロジスト宣言』のあとに出た本で共通の問題意識があるようだ。
 

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